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2014年11月 9日 (日)

スペイン弱視二人旅2010(その22:最悪・・・)

 アルタミラ洞窟のチケット売場でタクシーを呼んでもらい、待つこと20分、一向にタクシーの来る気配はありません。待っている間、何十台というマイカーが目の前を通り過ぎて生きます。ここに来る人の99%はマイカーか観光バスで来るんでしょう。

 来るときに車窓を確認してみましたが、案の定、途中は歩道など無い道。人など歩いている気配はありませんでした。距離的には3、40分歩けば帰れそうですが、視覚障がい者二人で歩くにはちょっと危険だという直感がありました。

「まあ、そのうち来るでしょう。」

 自分に言い聞かせるように、二人が何度となく同じようなことを口に出します。

 そして、待つこと30分あまり、来ました。やっとタクシーが。しかも来るときと同じ運転手さんです。

「ごめん、○○村まで行ってたから遅くなっちゃった。」

 村の名前は分かりませんでしたが、どうやらちょっと遠くの村まで言っていたので遅くなったということのようです。

 小さな村だし、日曜日ということもあり、ほとんどタクシーがいないのでしょう。まあ、仕方ないことです。

 30分待って、乗っているのは5分あまり。パラドールに帰ってきました。空は完全に晴れています。国の文化財に登録された村の中は、観光客でいっぱいでした。

 一旦部屋に戻って、昼食に出かけます。小さな村ですが、さすがは観光地。歩いてみると、そこここにレストランがありました。どの店も、「メニュー・デル・ディア」があり、料理の内容は店によって色々。けれどなぜか値段はほとんど12.8ユーロ。観光地ならではの、暗黙の協定があるのでしょう。こうなると味のほうもあまり期待できません。

 いくつかの店のメニューを見てまわり、その中の一軒に入りました。決め手になったのは、「魚のピーマン詰め」があったこと。上さんがどうしても私に食べさせたいというのです。

 店は手前がカウンター式のバルになっていて、その奥の扉を開けると、レストランという細長い造り。バルのほうは結構にぎわっていましたが、レストランのほうは先客が一組だけ。まだ1時半前なので、これから混んでくるのかも知れません。

 本日のメニューは、上さんがアサリのご飯と野菜のラザニア。そして私がパエリアとピーマンの魚詰めです。

 程なくワインが運ばれてきます。さっそく乾杯してみると、これが最高。今回の旅行中、レストランで出されたワインの中では一番おいしいものでした。決して高いものでは無いのですが、熟した葡萄の味が、とても良く出ているのです。もしかして、料理もおいしいかも! そんな期待が沸いてきます。

 第一の皿のアサリごはんとパエリアが運ばれてきました。アサリご飯というのはアサリのリゾットのようなもの。こちらの味はいたって平凡。可も無く不可も無くといった感じです。一方のパエリアのほうは、作り置きしてあったパエリアを皿によそってきたという感じ。パエリア特有の芯が無く、べちゃべちゃした感じのご飯。決しておいしいものではありませんでした。ちょっとがっかりです。

 続いて第二の皿。上さんがどうしても食べさせたかったというピーマンの魚詰めのお味は・・・。最悪。作り置きしてあったものを電子レンジでチン、して出してきたという感じで、ぐじゅぐじゅ。噛み応えゼロです。しかも魚の味はまったく無く、つなぎが多く入っていそうな味。これまでスペインで食べた料理の中で、一番まずいものがこれでした。

 一方の野菜のラザニアはというと、これも最悪。やはりレンジで温め直しているせいか、ぐじゅぐじゅ。味も冴えません。

 今日のお昼は珍しく大外れ。デザートで食べたアイスクリームがいつも以上においしく感じられました。

 アイスクリームと言えば、スペインのデザートで出されるアイスクリームはプリンなどは、自家製で無い限り、買ってきた入れ物に入ったまま出てきます。日本でいえば、明治だとかグリコだとかのカップアイスやプリンが、そのままポンと出てくるイメージです。はじめはちょっとびっくりしましたが、まあ、いちいち皿に移すのも手間ですし、それで味が変わるわけではないので、合理的といえば合理的です。(つづく)

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<写真>ピーマンの魚詰め(上の写真)と野菜のラザニア(下の写真)。見た目もイマイチ?

2014年4月 1日 (火)

スペイン弱視二人旅2010(その21:洞窟探検)

 入口を入ると長椅子がいくつか置かれ、正面の壁に映像が映し出されます。まずはビデオで、アルタミラ洞窟の歴史をおさらいです。

 解説がスペイン語なので、あまり良く分かりませんでしたが、壁画が描かれた当時の様子の再現から始まって、洞窟の入口が落石でふさがり、月日が流れて、子供が洞窟を発見。そして多くの人が訪れるよになり・・・。というストーリーでした。

 ビデオが終わると、いよいよレプリカの見学です。通路を進んでいくと、ぱーっと視界が開け、洞窟の中の様子が広がっています。ちょうど洞窟の中ほどに、ポンと飛び出したような感じで、左手の先のほうに外光が見え、反対の右のほうが洞窟の奥という設定。思ったより広い空間でびっくりしました。

 洞窟は上も下も、忠実に再現されていて、その上に、湿原にある木道のように通路が通っています。その上を歩きながら、洞窟内を探検するわけです。探検というより散策です。

 通路は洞窟の中ほどから、蛇行しながら洞窟の奥へと続いています。歩きながら、天井や壁を見ると、ごつごつとした岩肌のところどころに動物の絵が描かれています。入口が塞がれていたから保存状態がいいとのことでしたが、1万数千年前に描かれたものとは思えないほど、きれいに朱色が残っていました。

 写真撮影禁止なので、残念ながら画像が無いのですが、ここの博物館のホームページにいくつか写真が掲載されています。URLを載せておきます。

http://museodealtamira.mcu.es/cueva_altamira.html

 洞窟内は自由散策。入ってしまえば時間制限無くいられるようです。ところどころに監視員がいますが、好きなだけ見ていられます。まあ、そうは言っても15分も見ていれば、十分ですが・・・。

 洞窟を出ると、いくつかの動物の絵の部分のレプリカが別に飾ってありました。係員が、

「これは触ってもいいよ。」

と教えてくれました。

  触れるレプリカも用意されているのです。もちろん、目が見える人も触れます。

 さっそく触ってみると、動物の輪郭に当たる黒い線の部分は、細いもので石に傷をつけて描かれているようで、線の部分が削られているのがよくわかります。昔、学校の机に、芯の出ていないシャープペンシルで傷をつけるいたずらをしたような感じです。そして、朱色の染料で動物に色を付けていったのでしょう。

 これで「新洞窟」の見学は終わり。全体で30分ほどでしたが、なかなか充実した見学でした。後は、博物館の部分を見学です。

 博物館部分は、絵が描かれた当時の生活の様子を再現したものや、発掘の際に使った道具類、そして、スペイン国内の、他の洞窟の壁画などが展示されていました。スペインゴと英語の解説がありますが、弱視の我々にとってはどちらも読むのに一苦労。いくつか面白そうなものだけ解説を読み、後はざっと流して見学終了です。

 ミュージアムショップで博物館のガイドブックを買って、外に出ると、陽が差してします。チケット売場まで戻り、タクシーを呼んでもらいました。

 以前から見たかったアルタミラ洞窟。レプリカとは言え、実物大の洞窟に入ってみるとやはり感動します。1万数千年前にこれだけのものを描いていた我々の祖先がいたと思うと、なんだか不思議な気になりませんか?

 ここまではとても順調だったサンティジャーナ・デル・マルでの滞在ですが、この後がちょとと大変。まあ、今となっては旅のいい思い出なのですが、何が起こったかは次回のお楽しみです。(つづく)

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<写真>アルタミラ博物館の外観

2013年11月23日 (土)

スペイン弱視二人旅2010(その20:アルタミラ洞窟)

 サンティジャーナ・デル・マルでの二日目。今日は村から2~3キロ離れたところにあるアルタミラ洞窟の見学です。

 アルタミラ洞窟には、先史時代といわれる、今から1万8千年前から1万4千年くらい前に描かれた壁画があり、牛や馬、いのししなどが壁や天井に描かれています。その後、落石で洞窟の入口がふさがれ、結果的に壁画が良好な状態で保存されたと考えられています。今から100年くらい前に、偶然子どもが見つけたことが発端となり、今では、世界遺産にも登録されています。

 洞窟そのものは、保護のため、ほとんど見学不可なので、今回は、隣にある博物館でのレプリカ見学です。

 村から洞窟まで、2~3キロということで、歩けない距離ではないのですが、途中、歩道も無いような道だったりすると危険なので、今回はタクシーを利用しました。

 幸いにも雲の間から晴れ間が覗く空模様。黒い雲もあり、若干怪しいながらも、とりあえず雨ではなくて、一安心です。

 朝食を済ませ、身支度を整えて、フロントでタクシーを呼んでもらいます。タクシーを待つ間、ロビーのソファに腰掛けて、何気なく脇を見ると、そこにはアルタミラ洞窟壁画の写真が飾られています。今からこれを見に行くのかと思うと、考古学好きな私の心はわくわくです。

 待つこと20分、一人の男性がホテルに入ってきました。

「タクシー!」

 運転手さんです。

「オラ!」

 挨拶して車に向かいます。スペインのタクシーは手動ドア。運転手さんがドアを開けてくれます。

 ヨーロッパの町中は、石畳のところが結構あります。スーツケースを転がして歩くには、非常に厄介なのですが、アスファルトの道路とは違って、歴史を感じます。そして、ここサンティジャーナ・デル・マルも、その石畳。タクシーに乗っていても決して乗り心地は良くありません。ゆっくりと走ります。

 村を出て、やっとアスファルトの道路へ。周囲はのどかな山村という雰囲気です。

 やがて、大きな駐車場や真新しい建物がいくつか出現。アルタミラ到着です。チケット売場の前でタクシーを降ります。帰りのことを考え、2時間後くらいに迎えにきてもらおうとお願いしてみると、運転手曰く、博物館で電話してもらえとのこと。観光地ならではの強気な商売です。料金を聞くと、5ユーロということで、ちょっと相場より高め。チップを払う気にもなれず、きっちり5ユーロ払って車を降りました。

 正面の門を入るとすぐにチケット売場がありました。チケットを買おうと、受付に行くと、今日は日曜日だから無料とのこと。どうやら日曜日は無料開放しているようです。チケットとパンフレットを手渡されました。

「新洞窟の入場時間はどうしますか? 今度は10時40分ですが、それでいいですか?」

 受付の女性に質問されます。「新洞窟」というのはレプリカの洞窟のこと。入場はきっちり時間が決められているようです。10時40分と書かれた新洞窟の入場券も渡されました。

 チケット売場から博物館までは、丘を登っていきます。きれいに舗装された道路なので、歩きやすいのですが、結構な登り坂です。5分とかからない距離ですが、結構いい運動。しかも、このころには雨も降り出して傘をさして歩くことになってしまいました。

 博物館は大きな平屋建ての建物。2001年に出来たということで、まだ何となく新しさが感じられました。

 新洞窟への入場時間までは、まだ20分くらいありました。時間まで、博物館の中を少し見学します。

 10時40分、新洞窟の前には我々を含めて6人が集まりました。係りの女性がチケットを確認し、一旦、他の人が入れないようロープで仕切られた洞窟入口前で待機。洞窟内での注意事項の説明を聞き終わると、洞窟入口の白い大きな扉がスーッと音も無く開きました。なんdか「開けごま!」みたい。期待を膨らませる演出もバッチリです。(つづく)

2013年9月29日 (日)

こんなところにも点字が!

 先日から、持病の腰痛が再発し、久しぶりに整形外科を受診しました。近所にある、入院設備も整った、そこそこの規模の病院です。

 数年ぶりに訪れたその病院は建物が建て替えられ、すっかりきれいになっていました。ちょうど病院前の道路拡張工事が行われたので、それに合わせて立て替えたのでしょう。以前とは違って、とても明るく広々としていました。

 そんな病院のロビーの一角にタクシーを呼び出す専用電話が設置されていました。受話器をとると、契約しているタクシー会社に自動的に繋がる仕組みになっていて、病院では結構見かけます。

「へえ、この病院にもこんなものが置かれてるんだ・・・。」

 そう思いながら何気なく見ていると、そこに新たな発見が!

 なんと、使い方を説明した案内文にちゃんと点字が併記されているのです。

 これにはちょっとびっくり。一昔前なら、障がい者なんて客じゃないと言わんばかりの対応をされることが結構ありました。電話でタクシーを予防としても、盲導犬が一緒だというと断られたり、杖を持ってタクシー待ちをしていると、空車なのに停まらずに通り過ぎていったり・・・。

 そういう意味では、やっと一人前の客として扱ってもらえるようになったということなのでしょうか。

 タクシー会社も少しずつ変わっているようです。でも肝心の運転手の対応は・・・? まだまだ当たり外れがあるのが現状ではないでしょうか。

 それでも着実に向上しているタクシー会社の対応はうれしく思います。

2013年8月31日 (土)

スペイン弱視二人旅2010(その19:雨なのに・・・)

 今夜のお宿はパラドール・サンティジャーナ・デル・マル。スペイン国内にいくつもあるパラドールの一軒です。

 パラドール。昨年のスペイン旅行のときにもお世話になった国営ホテルチェーンです。昔の城や邸宅などをホテルに改装し、営業しているところが多く、ここ、サンティジャーナ・デル・マルには2つのパラドールがあります。元々は古い邸宅を改装した1箇所だったのですが、観光客が多い場所だけあって、広場を挟んだ向かい側に、もう一棟、開業したのです。

 今回泊まるのはその、新しく出来たパラドール。この地方の伝統的な建築様式で、新しく建てられたものだそうです。本当なら、15世紀の邸宅を改装した、元々あるパラドールのほうに泊まるべきなのかも知れませんが、今回はちょっとケチってしまいました。パラドールはレストランでの食事だけでも利用できるので、邸宅がよさそうな雰囲気だったら食事だけしに行けばいいと考えたのです。

 パラドールは3階建て。案内されたのは、その一番上の階の部屋でした。新しく出来たホテルと書いてあったのですが、木で出来た床はぎしぎしきしみ、木製の窓枠は、窓を閉めても隙間が出来ます。やっぱりここも古い建物を利用しているのかも知れません。

 きしむ床に隙間のある窓なんて聞くと、あんまりいい部屋ではないように聞こえてしまうかも知れません。でも、決してそんなことは無いのです。窓は内側に木の戸が付いているので、それを閉めてしまえば機密性バッチリ(ただし真っ暗になりますが)。床のきしみはどうしようもありませんが、バスルームや洗面はきれいにリフォームされているし、ベットも寝心地抜群。大型の液晶テレビもあって、快適に過ごせます。古いものを活かしながら、新しいものを取り入れた、いかにもヨーロッパ的なホテルです。

 さて、チェックインしたのは12時半ごろ。荷物を整理して、昼食に出かけます。と言っても外は雨。しかも、歩き回って店を決めるなんて決してしたくないような激しい降り方です。先ほどバス停から歩いてくる間に数軒のレストランがあったので、今日はその中のどこかに入ることにしました。

 外に出てみると、この雨の中、結構な数の観光客が町を闊歩しています。前々から計画して来たんでしょう。しかも日帰りで来ている人も多いとのことなので、雨にも負けず観光するわけです。

 向かい合った二軒のレストラン。メニュー・デル・ディアは両方とも12.8ユーロ。観光地ならではのカルテル価格のようです。店内は両方の店ともそこそこの賑わい。メニューの内容を見比べて、一軒に入りました。私はサラダと豚肉のソテー。上さんはコシード(豆の煮込み)とイカ墨ご飯を注文です。観光地なので、もしかしてグラスワインくらいしか付いてこないかと心配しましたが、ボトルワインがちゃんと来て、一安心。

 なのですが・・・、肝心の料理の味が今一歩。サラダとコシードはまあまあだったものの、豚肉のソテーは肉がぼそぼそ。イカ墨ご飯もべちょべちょで、まるでおじや状態。あー、失敗。知らないレストランに入るんだから、たまには外すこともあって当然なのですが、やっぱりがっかりです。

 それにしてもすごい雨。さすがに観光に出ようという気にもなれず、午後はホテルでのんびり過ごしました。

 そうそう、夕食は昨日のうちにスーパーで調達隅。今回は今夜と明日の夜用に、チーズや生ハム、トマト、オリーブにワイン、ミネラルウォーターと、かなりの荷物を持参していたのです。今日は土曜日。明日の日曜日も買い物は出来ないので、ちゃんと準備しておいたわけです。

 明日は、今回私が一番行きたかったアルタミラ洞窟へ行く予定。気になるのは天気です。(つづく)

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<写真>今回泊まったパラドール。

2013年7月20日 (土)

矢印一つで

 私が通勤で利用する東京メトロ。最近各駅で、エスカレーター手前の床に、進入可否を示す矢印とストップマークが描かれるようになりました。
 これまで、階段の手前には上り下りを示す矢印が描かれていましたが、エスカレーターには特にそうした表示は無し。まあ、エスカレーターの場合、動いているのを見れば、乗れる向きなのか、反対なのかは判別できるので、表示の必要性が感じられなかったのかもしれません。
 でもそれは晴眼者の話。我々視覚障がい者にとっては、果たして乗れるのか、反対向きなのか、エスカレーターの動きだけでは非常にわかりにくく、人によっては、ベルトにそっと触れて確かめたりしていました。
 床に矢印を描くという、ちょっとした工夫で、安心感がぐっと増します。(もっともこれも、弱視だからで、全盲の人にとっては、やはり音声案内が必要だと思います。)
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<写真の説明>エスカレーター手前の床に描かれた矢印(右)とストップマーク(左)

2013年7月 7日 (日)

スペイン弱視二人旅2010(その18:観光客で賑わう小さな村)

 旅も7日目、終盤にさしかかります。今日はサンタンデールからバスで40分のところにある小さな村、サンティジャーナ・デル・マルに向かいます。

 サンタンデールからのバスは1日4本。11時30分のバスに乗る予定です。時間はインターネットで調べた上で、昨日、バスターミナルで確認済なので、間違いないはずです。

 11時、バスターミナルに到着。切符売場に行ってみます。昨日は閉まっていましたが、さすがに出発30分前なら開いているだろうという期待を裏切るかのように、窓口にはブラインドが下りています。

「まだ開いてないのかなあ。」

「でも30分前に開いてないっていうのは変じゃない?」

「そうだよね・・・」

そんな会話を交わし、結局インフォメーションで聞いてみることにしました。結果は拍子抜けするようなものでした。料金はバスに乗るときに払えばいいというのです。

 そう、市内を走る路線バスと同様、乗るときに払うシステムだったのです。切符売場の窓口まであるから、てっきり事前に買うものだと思っていたのに・・・。紛らわしい!

 インフォメーションの女性は、親切に、バス乗り場も教えてくれました。乗り場は地下2階。エスカレーターで地下に下り、乗り場の前に並んだベンチに座って待ちます。周囲にはすでにバスを待つ人が数人います。ほとんどが大きなかばんやスーツケースを持った旅行客。みな、サンティジャーナ・デル・マルに行くのでしょう。

 サンティジャーナ・デル・マル。そこは14~15世紀の町並みがそのまま保存されたナショナルモニュメントの村。人口は4千人足らずとのことですが、毎年多くの観光客が訪れるようです。中世の町並みがそのまま体験できるということで、どんなところなのか、ちょっと期待です。

 11時15分くらいになるとバスが入って来ました。20人くらいでしょうか、乗客が降りてきます。続いて運転手も下車。ドアを閉めてどこかへ行ってしまいました。折り返しのための休憩なんでしょう。

 発車5分くらい前になると運転手が戻ってきて、例によってトランクを開けてくれます。大きな荷物を持った人は、それぞれ荷物をトランクに積み、運転手に料金を払って乗り込みます。近距離路線ですが、バスは長距離バスタイプ。ただし席は自由席です。

 11時半、定刻どおり発車。車内は半分弱の席が埋まった状態です。

 高速バスと違い、市内のいくつかの停留所に停車、そのたびに一人二人が乗ってきます。その後は先日も通ったトレラベガまで高速道路を利用し、再び市内でいくつかの停留所に停まりました。そして、そのころになると・・・。

 ついに雨が降り始めました。今日も朝から今にも降りそうな空でしたが、ついにこらえ切れなくなったようです。とレラベガの町を抜け、ところどころの停留所で停車しながら15分も走ると、いよいよサンティジャーナ・デル・マルに到着です。

「サンティジャーナ!」

 運転手が車内に向かって大きな声を掛けます。車内放送代わりです。観光客が多いから、ちゃんと教えてくれるんですね。

 停留所といっても、日本のようなポール状の標識が立っているわけではありません。何も無い道端に降ろされました。外は雨。しかも結構な降り方です。トランクから荷物を出し、さて、どちらに歩けばいいのやら・・・。

 とりあえず周囲の状況を確認するため、何か目標になりそうな建物か看板はないかと、周りをキョロキョロ。上さんと荷物を残して、少し歩き回ってみます。残念ながら手かがリは無し。しかも、そうこうしているうちに、一緒に降りた人たちはいなくなり・・・。バス停には二人きり。

 さて、どうしようかと思案していると、通りかかりのおばさんが声を掛けてくれました。

「お手伝いしましょうか?」

すかさず上さんが応えます。

「パラドールに行きたいんですけど。」

「それなら、この先の国道を渡ってまっすぐいったところよ。国道は車の通りが激しいから、気をつけてね。渡る前に、また誰かに聞くといいわ。」

 いやあ、グッドタイミング。というか、さすがヨーロッパ。ちょっと困っていそうだと、すぐに誰かが声を掛けてくれるのです。

 言われたとおりに国道を渡ります。方向さえわかれば、後は頭の中に地図があるので大丈夫。自力で無事にパラドールに到着です。(つづく)

2013年5月20日 (月)

スペイン弱視二人旅2010(その17:夕食はホテルのカフェテリアで)

 バスターミナルでの昼食。値段が安いのはいいけど、味もたいしたことないんでしょ? そんな声が聞こえてきそうですが、さにあらず。結構おいしくいただきました。もちろん、ワインもボトル1本付いていて、言うこと無しです。

 この日私が頼んだのは、ハムと豆の炒め物、鶏手羽の揚げ物。上さんが、キューバライス、豚肉のソテー。盛り付けこそ、たいしたことありませんでしたが、店内もテーブルも広く、ゆっくりと食事をすることができました。

 外は相変わらずの雨模様。ホテルに戻り、シエスタです。

 夕方、外がぱーっと明るくなり、陽が差してきます。そらは真っ青、すっかりいい天気になっています。上さんは部屋でのんびりしてるというので、一人で海辺まで出てみました。午前中とはまったく違い、青い空と青い海が広がっています。遠くには大型客船も見えます。イギリスとを結ぶフェリーなのかも知れません。雨上がりのため、公園の緑もいっそう鮮やか。傍らに置かれた大砲が、なんとも周囲と不釣合いです。何百年か前、海からの敵の侵入を防ぐために置かれたものなのでしょう。

 今日の夕食は、珍しく、ホテルのカフェテリアに行ってみることにしました。カフェテリアと言っても、夜はお酒とおつまみが楽しめるのです。

 8時過ぎ、そろそろいいだろうと行ってみると、店内はほぼ満席。ホテルのカフェというと、ちょっと敷居が高そうですが、ここはまったくそんなこと無し。ほとんどが地元客です。

 一箇所だけ空いていたテーブルに座り、メニューを見ていると、店員がやってきます。

「すいません。料理は8時半からなんです。お酒は出せますけど・・・。8時半まで待っていますか?」

「まあ、メニューを見ているうちに、すぐ30分くらい経つよ。」

「じゃあ、待ってます。」

 周囲を観察してみると、みんなポテトチップみたいな「乾き物」で一杯やっていたり、コーヒーを飲んでいたりと、さまざま。客層も、家族連れあり、若者グループあり、おばさんの二人組あり、一人で来ているサラリーマンありと、バラエティに富んでします。

 店員が注文を取りにやってきます。ハウスワインをボトルで1本、海老のガーリックいため、野菜サラダを注文。時計を見ると、ちょうど8時半。スペインにしてはびっくりするくらい時間に正確です。

 ワインと料理、それにパンとポテトチップが運ばれてきました。パンは大抵自動的に付いてきますが、ここではお通し代わりにポテトチップが出されるようです。ちょっと意外でしたが、日本のポテトチップより分厚くておいしかったです。

 ちょっと煙草臭いのが難点ですが、たまにはカフェやバルで一杯というのもいいものです。ちなみに、バルはほとんど喫煙可ですが、レストランではちゃんと分煙のところも結構ありますので、ご安心を。(つづく)

2013年4月20日 (土)

スペイン弱視二人旅2010(その16:バスターミナルも使いよう)

 市場を出てさらにぶらぶら。幸い雨も小降りになってきました。しばらく行くと、ちょっと素敵な広場に出ました。3方を建物に囲まれた広場からは、開けた一方から、遠くに海が見えます。その手前は公園の緑。周囲の石造りの建物との調和が見事でした。晴れていれば、空と海の青さが引き立ち、もっときれいなんだろうなあと、想像させられます。

 ホテルの近くまで戻ってくると、またまた市場を発見。しかも今度の市場は、先ほどとは違い、外で野菜を売っています。これこそ、正真正銘の市場です。

Img_2144<写真>市場(左側の建物)の前には野菜を売る店がたくさん出ています。正面には小さな教会も。

 階段を登り、中に入ってみます。中は一面肉屋。右も左も肉を売る店がひしめいています。天井からは生ハムがぶら下がっています。どこの町にもありそうなスーパーほどの広さでしたが、すべてが生肉、ソーセージ、チーズなど、肉関係の店でした。

 階段を下りて下の階へ。2階建ての市場の下の階は、野菜と魚を売る店が並んでいます。色とりどりの野菜は全体に日本よりジャンボサイズ。値段もトマトが一キロ5ユーロくらいと、日本よりかなり安めです。

 肉にしても魚にしても、惣菜になると日本とさほど値段が変わりませんが、素材の値段は断然安い。家で食事を作っている分には、食費は相当抑えられそうです。商品に掛かる付加価値税(日本の消費税に当たるもの)も、素材となる食品と、惣菜とでは税率が違っていて、素材は低く抑えられています。この辺りの政策は日本も見習う部分があるかもしれません。

 一旦ホテルに戻って、小休止。その後、昼食を取りながら、明日のサンティジャーナ・デル・マル行きのバスのチケットを買いに、バスターミナルへ出かけました。途中、レストランを見つけては、メニューをチェックしてみますが、あまり気に入った店がありません。ちょっとよさそうだなあと思うと20ユーロ近く。全体にかなり高めです。

 結局、ここ! という店が見つけられないまま、バスターミナルへ着いてしまいました。出発前にインターネットで調べておいた、サンティジャーナ・デル・マル行きのバス会社の窓口を目指します。と言ってもここのバスターミナル、2社しか窓口がなく、探すまでもありませんでした。

 ところが・・・。窓口は見つかったのですが、なぜか閉まっています。

「多分、 バスの発車時刻に合わせて窓口を開けるじゃない?」

「そうだと思う。仕方ないから、明日の朝、少し早めに来て買おう。」

「そうね。ところで、せっかくバスターミナルに来たんだから、ここのレストラン覗いてみない? 他より安いんじゃないかと思うんだけど・・・。」

「いいかもね。」

 ということで、地下にあるレストランフロアへ行ってみます。レストランフロアとは言っても、レストラン兼バルが1軒、カウンターだけのバルが1軒、それにアイスクリーム屋と甘いパンを売る店が1軒ずつ、後は床屋と売店・・・と、小ぢんまりしたもの。お昼が食べられそうなのは一軒しかないレストランくらいです。

 外に出ている手書きのメニューを見てみます。ちょっと凝った書体で書かれたメニューは半分くらいしか「解読」できません。それでも、種類は豊富だし、値段も9.9ユーロとリーズナブル。というわけで、今日のお昼はここに決定。バスターミナルはバスに乗るだけじゃなく、食事をしたり、休日に買い物をしたりと、意外と便利に使えるのです。(つづく)

2013年3月20日 (水)

春が来た

 昨日、朝の通勤時、いつものように会社近くの遊歩道を歩いていると・・・。タンポポを発見! 今年初めて見つけました。
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 ニュースによると、先週の土曜日には東京で桜の開花が宣言されたとか。いよいよ春本番です。
 それにしても、タンポポって弱視向きの花です。緑の中に咲く鮮やかな黄色の花は、私にもすぐに見つけれれます。
 そういえば、私の住むマンションの玄関脇に植えられている沈丁花が、数日前からいい香りを放っています。こちらは、花は地味ですが、香りですぐにわかりますね。

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